「元気そうだね」が傷つける・・・

ついつい言ってしまいそうな、
「元気そうじゃん!」
「元気になってよかった」という言葉。

病人(病気から回復しつつある人)に言ってしまいます。
これは悪気はなくて、
「調子いいね、順調だね」という
励ましを言葉に表してくて、出てくる言葉だと思います。

でも、これが意外と病人を傷つけることをわかってほしいなと思います。




なぜ言ってはいけないか  
(手術後の症状に苦しむ病人たち)

病人に「元気になったね!」「元気そうじゃん」と、
さも回復しているような言葉をかけてはいけない理由は1つ。

それは、病気は簡単には治らないからです

今の状況は全然「よかった」と言える状況じゃないからです。

そのことを健康な人はそれを理解せずに、安易にその言葉をかけてきます。


退院して、歩けるようになって、ご飯が食べれるようになって、
人前に出られるようになったら、もう「健康な人」。


確かに、見た目はもう健康な人と同様。


わたしの場合、最近では、
脳の傷のところをうまくずらして髪の毛をとかしたり、
髪の毛を1つに束ねたりできるようになっています。

お化粧もできるし、顔色もずいぶんいい。

体重も手術後から比べたら数キロ増えて、
元どおりになってきたので、完全に「元気そう」な感じです。


でも、わたしの場合、脳腫瘍の摘出で
20センチくらいはしっかりと頭を開いているので、
いまだに頭痛やしびれ小さなことにたくさん悩まされています。

小さな術後の症状は以下の通り。
わかってもらえるでしょうか?この小さな苦しみの数。
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・少し走ったりするとふらつく。
・スーパーなどをうろちょろと回ったりすると、めまいがして気分が悪くなる。
(脳が揺れるからじゃないか?と個人的には思います。)
・気温が上がるとだるくなったり体調が悪くなる。
・1日に1回くらいは微熱が出てだるくなる。
・ 集中力が切れやすくなっている。
・立ちっぱなしでいるとすぐにだるくなる。
・首をずっと固定したままの態勢でいると頭の傷側が張る感覚がある。
・痛みがあるので頭の後ろの傷口を下にして眠れない。
・ 横向きでしか眠れないので、片方の耳がしびれてしまう。
・一部の強い薬の副作用で顔がにきびだらけで治らない。
・人ごみで頭に何かが触れてこないかいつも緊張している。
・俊敏な動きが できない。(頭を揺らすと気分が悪くなるためです。)
 ・新聞など小さな文字が見にくい、文字が少し歪む。

などなど。。。
これ以上ありますが、小さいのでこれくらいに。。
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先生曰く、脳の手術後は様々な術後の症状があり、すぐには治らない、とのこと。
だいたい目安は3ヶ月と言われましたが、
それは傷口等のことで、回復には個人差もあります。

脳の組織自体はゆっくりと時間をかけて修復していくそうです。
それはだいたい1年はかかると言われました・・・。

病気になる前は、
「手術が終わったら」病気は終わり、
「術後の痛みがなくなったら」病気は終わり、
「腫瘍が取れたら」病気は終わり、とか思っていました。


手術は全身麻酔だし、痛みもなく、
魔法みたいに、ささっとすべて終わって、治るんだと勝手に思っていました。


でも、人間の体は、そんなに簡単に、一気に回復はしません
 
 術後も、長く様々な悩みが続きます。


なのに、何も知らない人は「元気そうだね」と言ってきます。


病気になってみないとわからないことだけど、

病気になる前を「健康な人」の状態だとすると、
わたしは全然「健康な人」じゃないし、全然100%元にもどってなんかない。

わたしの100%の「健康な人」は
もっともっといろんなことができて、
飛んだり跳ねたり、嬉しい時にはスキップをして、
好きな時にスポーツジムでダンスをしに行ける人のこと。
「健康な人」は、頭の傷の痛みを気にせず眠ったり、
頭の腫れやしびれを感じず、
人ごみでも誰かに頭に触れられることを恐れず、
普通に堂々と動ける人のこと。

そう、病気のことを忘れられるくらいの回復が100%。

手術直後からの回復を考えたら、
人間らしい生活をしているし、

元気になっていることは事実で、
歩いて、ご飯食べて、誰かと話して、
ポジティブに考えることもできちゃってる。

でも、今の状態は全然「普通」じゃないし、
全然「健康な人」なんかではないんです。
 



「健康そうな」元病人に出会ったら・・・

「わたししんどいんです」アピールをしたくて
この記事を書いたわけじゃなりません。 

もし病人(回復しているように見える病人)に会うことがあったら、
「元気そう」という言葉は避けてほしいと思ったからです。

「元気そう、よかった」というのは、あくまでも、言う側の感想。

病人は見た目でわからないところで、
「元気そう」に見えても、あなたが想像しているよりずっと長く苦しみます


だから、その見た目だけで判断して声をかけることは
かえってその人を傷つけることになります。

「元気そうでよかった」と言われても、
もしその見えない部分の苦しみが多い場合、
「何も知らないくせに・・・」、
「今の状態、全然よくないし」、と逆に孤独感を与えて
それは励ましたい相手を傷つけることになります

もし、誰かからの言葉で傷ついてしまった病人の方が
この記事をみてくれていたら、
「病気になった人しかわからないこと」かもしれないことだと
共感してもらえると思います。

そして、同じ境遇で一緒に頑張っている人がいると思ってください。
わたしも誰かと一緒に頑張れることが力になり、嬉しいです。

病気から回復しようとしている努力や苦しみについて、
その本当のところは、病人本人にしかわからないことだとも思っています。

でも、もし、周りに誰か病人がいるのなら、
「元気そうにしてるね。よかった。」ではなくて、
せめて「元気になってきた?大丈夫?」という風に変えてみてください。

決め付けるのではなくて、気遣ってくれるその姿勢がとても温かく感じます。 


周りの人の力があなたのパワーになりますように・・・。
そして、あなたの励ましが病人のパワーになりますように・・・。

さぁ、頑張れわたし!負けるなわたし!
100%まで回復したら、思いっきりスキップしながら家に帰ろう。